精神保健福祉士とは?

「精神保健福祉士」は、メンタルヘルスソーシャルワーカー(MHSW:Mental Health Social Worker)※旧呼称:精神科ソーシャルワーカー(PSW) という、心に病を抱えた人達(精神障害者、発達障害者、知的障害者、認知症等)が スムーズに生活を営めるように必要な訓練を行ったり、社会復帰の手助けをする人 たち(国家資格)です。

主な仕事内容・・・??

●入院生活のサポート
●医療費や生活費などの手配の仕方を紹介
●公的な支援制度の紹介
●社会復帰のための日常の訓練の援助
●就労支援(就労後の定着支援)
●教育機関や企業での相談業務や研修・セミナーの開催

医師やスタッフと情報共有を行いながら、患者本人はもちろん、その家族からの相談にも乗ってく れます。

主な活躍の場・・・??

●精神科病院、総合病院の精神科、精神科・心療内科クリニックなどの医療機関
●自治体、保健所、精神保健福祉センター、福祉事務所などの行政機関。
●障がい福祉サービス事業所、最近では児童養護施設、高齢者福祉施設、保護観察所、矯正施設などの福祉施設。
●学校(小・中・高校・大学)
●企業など

精神保健福祉士になるためには

●まず受験資格を得る必要があります。 その方法は10通り。福祉系以外の大学や短大卒業の方でも、一定の条件を満たすことで受験資格を得られます。
●試験は例年1月~2月上旬。精神保健・福祉や障害者関連の領域から16科目で出題されます。

精神保健福祉と社会福祉士の違いって?

社会福祉士と精神保健福祉士は共に相談援助職であり、登録をしなければ職名を名乗れない名称独占資格です。人々のニーズや時代の変化に合わせて、支援内容の幅も広がっています。社会福祉士・精神保健福祉士それぞれの仕事と役割について確認してみましょう。

〇社会福祉士
社会福祉士は、心身に障害のある人への支援にとどまらず、低所得や家庭事情といった環境上の理由によって日常生活に支障が生じている人への支援を行う職種です。
1951年の社会福祉法の制定当時は、社会福祉に関する資格が社会福祉主事・保母(現在の保育士)だけでしたが、高齢化に伴う福祉サービスの供給体制見直しをきっかけに、1987年に社会福祉士制度が生まれました。
高齢化や核家族化の進行など、社会福祉へのニーズが多様化・高度化するに伴い、人々の暮らしと地域の福祉サービスをつなぐ役割も重要視されています。ひきこもりの人や矯正施設出所者の自立支援への取り組みが注目されるなど、時代の変化に応じて支援対象が広がる傾向にあります。

〇精神保健福祉士
精神保健福祉士は、心の病に関する医療を受けている人や精神障害のある人を主な対象として、社会復帰や日常生活への適応に向けた支援を行う職種です。精神科ソーシャルワーカーという名前でも知られています。
1990年代に障害者基本法や精神保健福祉法が制定され、精神障害のある人の社会復帰をはじめとする福祉施策の充実が法制化されました。その流れで1998年に精神保健福祉士制度が生まれ、医療や福祉・地域生活をつなぐ役割が期待されています。利用者の入院生活から在宅生活への移行支援も、その一環です。
高ストレス社会と言われる状況に対応するため、医療現場にとどまらず企業や教育機関などで精神保健福祉士がメンタルヘルスケアに関わる場面もみられます。